オレンジボックスは不人気だった?

HERMESのアイコンカラーといえばオレンジ。
商品の箱、ショッパーだけにとどまらず、
店頭ディスプレイ、インターネットショッピング、果ては靴底にいたるまで
HERMESが展開するあらゆる場面でこの色を見かけないことはありません。

そんなHERMESオレンジにも、実は誕生秘話がありました。
今日は歴史のお話になりますので、
お風呂やベッドサイドで読んでください(笑)

1837年に創業したHERMESは、初期こそ馬具工房としてのスタートでしたが、
20世紀に差し掛かるころには本格的な自動車社会が到来したこともあり、
紳士淑女向けファッション事業に参入していきます。

特に第一次世界大戦が終結したのちに訪れた1920年代は空前の好景気となり、
「狂乱の20年代」と呼ばれる大量消費社会のなかで、
パリをはじめ世界中のカルチャーやモードが花開いていきました。


1925年頃の化粧箱です。真っ白な箱に金の縁取りが施されています。
高級感あふれるデザインで、パリジャンヌが帰りの馬車に載せていれば
さぞ道行く人からは輝いて見えた事でしょう。

1935年頃にはキャメルを基調とした化粧箱も登場しており、こちらも
高級感の漂う縁取りが成されていますね。

しかしこの1925年から1935年までの10年間は、その後の世界の運命を
決定づける重大な出来事が世界各地で相次いでいました。

1925年2月、
前年の12月に釈放されたアドルフ・ヒトラーがナチス党を再建し、
ドイツの民主主義が崩壊へと歩み始めます。

1929年にはアメリカを中心に世界恐慌が発生。
大国は自国優先の政策に舵を切り、自分たちの利益の為なら
平然と他国へ不利益を押し付けたり、軍隊で恫喝を行う時代が始まりました。


1932年にはヒトラーがドイツ首相に就任し、以降は1938年まで
次々と周辺の国や地域を併合してドイツの領土を広げ始めます。

経済が打撃を受け、ドイツと戦争をする気力も自信も無い
アメリカ、フランス、イギリスは、ドイツに場当たり的な譲歩を続け、
ついに1939年の第二次世界大戦の開戦を迎えてしまうのです。


1945年頃のHEMRESの化粧箱です。
現代の私たちが目にするあのオレンジボックスそのものですね。
第二次世界大戦終結の直後にすでに見られたオレンジボックスには、
フランスの苦難の時代が反映されていました。

1940年6月、ドイツの侵略に敗北したフランスは、
南北2つの地域に分割され、パリを含めた北半分はドイツ軍の
占領下に置かれます。

占領下フランスのキャバレー
「ムーランルージュ」の前で談笑するドイツの軍人

ただでさえ戦火で荒廃したフランスから、ドイツは食料や軍事物資などを
巻きあげていき、いよいよHERMESで使用している
化粧箱用の白い箱ですら、入手が出来なくなってしまったのでした。

そこで包装業者に問い合わせたところ、
残っていたのはこのオレンジ色の箱だけだったそうです。
オレンジは西欧では子供っぽいイメージがあるそうで、
不人気なカラーなので在庫があったのかもしれません。

箱が無いまま販売することをHEREMESはよしとしなかったので
以降はこのオレンジの箱で包装をすることになりました。

解放を喜ぶパリジャンヌたち 1944年

戦争が終わった後、HERMESの箱はまた元の白に戻る……かと思いきや、
そのままオレンジの箱を残してほしいという声が、
顧客からも上がったのだそうです。
ここで1960年代の箱を見て見ましょう。

いよいよ今日と変わらないあのオレンジボックスが完成しました。
なんと60年も前から同じデザインなんですね👀
ちなみに2019年頃からはブラックライトに反応する箱が
導入されており、HERMESのロゴマークが浮かび上がるように
なっていたりします。

当時のフランス人にとって
それまで子供っぽいと思っていたオレンジカラーは、
戦後の復興に励む人々を照らす太陽のような、
希望の象徴としてのカラーに思えたのではないでしょうか。


この偶然から生まれたアイコンカラーが、世界中の
HERMESショップのショウケースで、今日も輝いているのです。

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